イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「調理実習で柴村と同じ班なんて嫌に決まってんでしょ!?気持ち悪いし、汚いし、臭いし!」
ドクンッと心臓が不快な音を立てて鳴り出す。
クラスの全員の前でストレートな言葉で罵るなんて残酷すぎる。
「うちも嫌~。柴村って暗いし、一緒に料理作るとか考えらんない!マジ無理ぃ~!!」
「ちょっと、綾香もマミも言い過ぎだよぉ。柴村さんが可哀想だよぉ」
二人の言葉をクスクス笑って聞いているみやび。
直接攻撃しているわけではないかもしれない。
けれど、これも立派なイジメだ。
みやびは明らかにイジメを増長させている。
「つーか、誰だよ!うちらに柴村押し付けようとしてんの!!」
綾香がバンッと机を両手で叩き立ち上がると、クラス中が水を打ったかのようにシーンっと静まり返った。
「黙ってないでなんとかいいなさいよ!!」
どうして綾香に責められているのかわからない。
元はといえば勝手に自分たちがいいようにグループを決めて、あとは勝手に決めてと任せたくせに。
それなのに、今は被害者ぶって理不尽だと主張する。
けれど、言い返せる人はいない。
ここで言い返してしまえば、火の粉が自分に降りかかってくると分かっているから。
誰もが目を合わせないように背中を丸めて下を向き、自分に綾香の怒りが降り注いでこないことを祈っている。