イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「ねぇねぇ、アンタさぁ、うちらの悪口言ってるって本当~?」

カンナをトイレに呼び出すと、トイレ内にいた生徒たちが不穏な空気を察して一斉に散っていく。

「えぇ~?カンナ?言ってないよぉ~!どうしてぇ?」

「噂で聞いたから」

「まさか!言うはずないよぉ~!」

マミの言葉にもカンナは動じる気配がない。

それどころかどこか楽しそうに目を輝かせているようにも見える。

「でも、言ってるって人がいたんだよね~。それでうちらは傷付いたわけだし、慰謝料払おうか?」

「ん~?慰謝料?」

マミはそう言うと、カンナの手の中のバッグをひったくった。

「あれれ~」

カンナは目をぱちくりさせる。


『バッグも持ってきてくれない?』

カンナが教室から出るとき、マミはそう指示した。

それが何を意味するのかあたしは良く知っていた。

昔からのマミの典型的なイジメ方法だったから。

マミはバッグのファスナーを開けると、バッグを逆さまにして振った。

中から財布や学生証や化粧ポーチが転がる。

ニヤリと笑うマミ。マミは一流ブランドの財布を手に取ると、勝手に中を見た。

「金持ちは違うねぇ~。これ、慰謝料としてもらっておくから」

マミは2、3枚の万札を引き抜いてポケットに押し込んだ。

物色はまだ終わらない。

化粧ポーチを開け、中を確認する。

「これ、先月発売されたやつじゃん」

「あ~、それまだカンナも使ってないやつだからあげないよぉ?」

「……ハァ?黙ってろよ」

マミが低い声でカンナを威嚇する。
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