イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「水が足りないんだけど!遊んであげるから、さっさと水くんでよ!!」
自分が濡らされると分かっていながらバケツの水をくむのはさぞ応えるだろう。
「うぅ……口の中にバイキンのお水がはいっちゃったよぉ。気持ち悪いよぉ」
顔を歪めながらも、カンナは言われた通りにバケツに水を汲んだ。
そうだ……。この様子をスマホに撮影すれば後々何かにつかえるかもしれない。
スマホを取り出し、カメラを起動させる。
「……ちょっと、水まだなの!?」
綾香が叫んだその瞬間、カンナはなみなみと水の入ったバケツを掴み上げて体を斜めにひねった。
「いっくよぉ~!」
カンナがニコニコと楽しそうに笑う。
「ちょっ、嘘でしょ!?」
そう叫ぶが早いか遅いかわからないうちに、カンナはあたしたちに向かってバケツの水を勢いよく放った。
その水はあたし達3人の制服を濡らした。
「冷たい!!」
顔をかばおうとしたせいで、スマホを手放してしまった。
床に転がるスマホ。
「――アンタ、こんなことしてどうなるか分かってんの!?」
綾香が鬼のような形相を浮かべて叫ぶ。
でも、カンナは微動だにせず、ニコニコと笑いながら床に転がったあたしのスマホを拾い上げた。
「か、返してよ!」
手を差し出すと、カンナはひょいっとスマホを上に持ち上げた。
そして、にこりと笑いかけるとあたしに背中を向けて駆け出した。
嫌な予感が体中を駆け巡る。