イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「ただいま」
バッグを学校に忘れてしまったため、鍵を持っていなかった。
チャイムを鳴らしても応答はない。その代りになぜか玄関の鍵が開いていた。
シーンっと静まり返った廊下は湿気がこもりジメジメとしている。その奥の部屋からわずかな声が聞こえる。
あたしは足音を立てぬようにゆっくりと廊下を進んでいく。
「――どんな教育をしてきたんだい!!あの子が学校でそんなことをしてるなんて!アンタのせいだ!!」
部屋の前まで来て祖母の怒鳴り声に体を丸くする。
母がなじられているのは目に見えていた。
お母さんを早く助けなくちゃ――。
祖母の部屋の扉を開けると、畳の上に正座させられて背中を丸める母の姿があった。
そして、母はあたしの姿を認めると怒りに満ちた目をこちらに向けた。
「みやび……!あなた、一体学校で何をしているの!?」
「え……?」
「今朝ね、家に柴村さんっていう方から電話があったのよ。あなたに度々暴力を振るわれてるって」
「柴村……?えっ……、そ、それで?」
「あなたにされたこと、全部学校に話すって。そう言ってたんですよね?おばあちゃん?」
「そうよ。みやびちゃん、それは本当のことなの?」
歩けない祖母の部屋に電話の子機を置いていたことが仇になったのかもしれない。
電話を受けたのは祖母で、あたしが学校でしていたことを知った祖母に母は罵られていたんだ。
母の怒りが手に取るようにわかる。
スマホを壊したとはとても言い出せない雰囲気にたじろぐ。