イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「ふふふっ……。あははは!!いい気味だわ。天罰が下ったのよ!!」

母はさも楽しいことでもあったかのように両手を叩き、目の淵に涙まで浮かべて笑い転げる。

死んだ祖母の横で大声で笑う母。それは異様な光景だった。

「みやび、よくやったわ!!さすがお母さんの子ね!!」

母は弾んだ声をあげてあたしの体をぎゅっと抱きしめながら頭を撫でる。

「これでお母さんはもう自由だわ!お父さんだって帰ってくるのよ。あのババアのせいでね、お父さんは家に帰ってこられなくなっちゃったのよ。でも、もう大丈夫。みやびが殺してくれたから。みやび、愛してるわ」

「お父さんが帰ってくる……?」

そんなはずはない。父が家に帰ってこなくなってしまったのは、祖母のせいだけではない。

嫁姑問題を発端に、両親は毎晩のようにケンカをするようになった。

母がヒステリックに怒り狂い、部屋の物を手当たり次第に父に投げつけているのを何度となく目撃していた。

父は母を忌み嫌い、家に帰ってこない日々が続いた。

そこでふとある最悪な出来事が脳裏をかすめた。

母の思惑とは真逆のことが起こるかもしれない。

祖母が亡くなったことをキッカケに父は母と離婚する手はずを踏むだろう。

「お父さんとお母さんとみやび、これからこの家に新しい3人家族の生活がスタートするのね。お母さん嬉しくて嬉しくてたまらないわ!!」

母がにこやかに今後の生活に語る。



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