イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

優亜サイド

【優亜サイド】

「渡部さんの話を聞かれてもくれぐれも口外しないようにしてください」

担任の若菜先生は教壇の上でクラスメイトにそう警告した。

みやびの机には花瓶がおかれ、教室中は異様な雰囲気に包まれている。

みやびが祖母と母を殺し、自分までも部屋で首を吊って自殺した。

8畳の和室の中で3人が亡くなっていたということ、それも女子高生主導の無理心中ということで世間の注目を浴びテレビでも幾度となく取り上げられていた。

事件から3日間は休校となり、今日は久しぶりの登校だ。

「学校の外のマスコミにも余計なことをしゃべったりしないでね」

若菜先生は能面のような顔でそれだけ言うと、さっさと教室から出て行ってしまった。

火事の後、若菜先生はがらりと変わった。

先生は全ての感情をあの火事の日に荷物と一緒に燃やされてしまったかのように見えた。

あんなに気にしていた外見に無頓着になり、髪の毛だってところどころに白髪が浮かび上がっている。

10キロ近く痩せただろうか。ガリガリに痩せ、女としての魅力がなくなってしまった。

時折、意味もなくにやけたかと思えば突然怒りだしたり。

感情の起伏が大きすぎて、生徒達だけでなく同僚からも嫌悪感丸出しの視線を投げかけられている。

先生の精神状態がおかしいのは誰が見ても一目瞭然。

来年、どこかの学校に飛ばされるだろうともっぱらの噂だ。
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