イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

下駄箱に着くと、自分のローファーを取り出す。

「やっべー、超ボロボロだ」

しばらく履き続けているせいでところどころ革が剥げてしまっている。

もうそろそろ新しい物に交換しないといけない。

あたしは自分のローファーを手に、違うクラスの下駄箱を見て回った。

「んー、これは汚い。うわっ……名前書いてあるとか小学生かよ……。あっ、これにしよっと」

真新しくピカピカのローファーを手に取り、自分の靴を戻す。

履いてみるとサイズもぴったりだった。

「なかなかいいかも」

綺麗な靴を履きそのまま学校を後にする。

靴交換は小学生の時から今までずっと続いている。

消しゴムも、下敷きも、上履きも、靴も、名前が書いておらず身バレしないものなら何でもやった。

『人生はね、やったもん勝ちよ!』

両親のそんな教えをあたしは今も忠実に守っているし、両親は今もその言葉通りの生活を送っていた。

両親ともに働くことはなく、朝から晩までパチンコ三昧。

どうやって金を稼いでくるのかは知らないけれど、貧乏という感覚はない。

家には最新型の家電製品だってあるし、食事はほとんど外食かコンビニ。

欲しい物があれば、誰かのお金を拝借すればいい。

学校の中で札を抜くのはたやすいことだった。

まさか学校でお金を取られるとは思わないのか、財布を机の上に置いたままトイレに行く子もいる。

そんな子の財布からあたしはお札を数枚いただく。

できるだけ足がつかないように、全部抜くことはせず気付かなそうな枚数だけを抜く。

周りの子が一か月必死にバイトをして稼ぐお金をあたしはほんの一瞬で手にすることだって可能だ。

必死になっても結局は負け組。その点、あたしは勝ち組だ。
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