イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
それにしても……。

「若菜先生、その問題の答え間違ってますけど?」

お葬式のように暗い雰囲気の中で授業を行う若菜ちゃんの背中に逢沢優亜が言葉をぶつけた。

「えっ……?ああ、そうね……。ごめんなさいね……。先生ってばダメね……。ごめんなさいね、ごめんなさいね」

若菜ちゃんは黒板消しを手に取ると、狂ったように文字を消す。

「先生、ヤバいよね?ごめんなさいって謝りすぎでしょ」

逢沢優亜が笑いながら隣の席の子に声をかける。

なんだろう、この違和感は。みやびとマミの一件以来、逢沢優亜の言動は以前とは180度変わってしまった。

以前は曲がったことは大っ嫌いな優等生タイプでイジメられている柴村静子をかばい、自分までイジメの対象になったのに。

友達想いでお人好しだと思っていたのはあたしの思い違いだったんだろうか?

今の逢沢優亜は少し前の彼女とは別人のようだった。

昨日だってそうだ。横をすれ違ったときにアイツはニヤリと意味ありげな笑みを浮かべていった。

『次はあなたよ』

その言葉の意味が分からず立ち止まって考える。


『はっ?』

振り返るとそこにはもう逢沢の姿はなかった。

次はあたしってどういう意味?それってみやびとマミにも関係してるっていうこと?

でも、アイツにそんな大それたことができるとは思えない。

マミとみやびがいなくなったことであたしがイジメを辞め、自分が弱い立場ではなくなることを望んでいるんだろう。

バカな女。思い違いもいいところ。

あたしはマミとみやびがいなくなっても何も変わらない。

「立場を分からせないとね」

調子に乗っている逢沢優亜をあたしは睨み付けた。
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