イジメ返し２ ～恐怖の復讐劇～
翌日、放課後になり音楽教室にやってきたあたしはグランドピアノを指で撫でた。

一刻も早く練習がしたくて、授業が終わると誰よりも早く教室を出てここへやってきたというのにピアノの譜面台も棚板もすべて閉められていた。

普段は開けてあるのにどうして今日に限って……。

心の中でため息をついた時、音楽室の扉が開いた。

「――ねぇ、若菜ちゃん！なんでピアノが……」

そこにいたのは若菜ちゃんだけではなかった。

「つーか、なんでアンタたちがいるのよ」

逢沢優亜と西園寺カンナを睨み付ける。

「綾香ちゃんのピアノ、聞いてみたいなぁ～って思ったんだもん～！ねっ、優亜ちゃん？」

「……まあね」

「ハァ？気が散るから出て行きなさいよ!!」

「沢木さん、いいじゃない。本番では大勢の人を前に演奏するんだもの」

「……ハァ。いい？絶対にあたしの邪魔だけはしないで」

若菜ちゃんにそう言われると言い返せない。

火事から情緒不安定な状態が続いている若菜ちゃんにここで機嫌を損ねてピアノの練習に付き合ってもらえなくなるほうが嫌だ。

あたしは渋々二人の要求をのむことにした。
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