イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

優亜サイド

【優亜サイド】

「里ちゃん、喜んで!!あたしね、最後の一人にもイジメ返しを成功したから!これで里ちゃんも学校にこられるでしょ?」

綾香の病院に雑誌を届けた足で里ちゃんの家に向かう。

いくら訪問しても顔を見せてくれなかったのに、今日は玄関を開けてくれた。

若菜先生や綾香たち全員にしたことを事細かに話すと、里ちゃんの顔は徐々に歪みはじめ、最後は涙まで流した。

「里ちゃんってば、泣くほどうれしかったの~?」

そう問いかけると、里ちゃんは涙を指で拭ってあたしの頬を叩いた。

「どうしてそんなにひどいことができるの!?それを笑って話せるの?」

「え?だって、あの3人はあたしや里ちゃんや柴村さんを――」

「あたしは優亜にイジメ返しなんてしてって頼んだことはないよ?!それに、こんなことしてたらあの3人と一緒……ううん、それよりひどいことを優亜はした!」

「里ちゃん、何言って……」

「イジメられたからってやり返したって何も始まらない!結局無限ループだよ!?」

里ちゃんはぐっと拳を握り締めた。

「あたし、来月転校するの。いじめから逃げるわけでも負けたわけでもないよ。でも、沢木さん達よりも幸せになることがあたしの最大のイジメ返しだと思うから」

里ちゃんはそう言うと真っすぐあたしを見つめた。

その瞳に一瞬で虫唾が走る。

「――ふーん。だったら勝手にすれば?人の好意をむげにしやがって」

あたしは里ちゃんの足を思いっきり蹴飛ばした。
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