イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

里ちゃんはきっと、あたしを裏切れずにいるんだ。

ここで手を挙げてしまえば、あたしを裏切ることになる。

だから、里ちゃんは……。

手を挙げない里ちゃんに綾香たちが痛いほどの視線をぶつける。

このままじゃ里ちゃんが……!

「――先生」

あたしは恐る恐る手を挙げた。

「なに、逢沢さん」

「日野田さんはあたしが違う班になってしまったから手を挙げられないんだと思います」

「あぁ、確かにあなたと日野田さんは仲がいいわね」

「あたしはこの班で大丈夫です。里ちゃんも、いいよね?」

里ちゃんはゆっくりと振り返りあたしを見つめた。

その目が潤んでいる。

ごめんね、里ちゃん。

里ちゃんに忠告されていたのにも関わらずに勝手なことをしたあたしを許して……。

「うん……」

里ちゃんは今にも泣きだしてしまいそうなほど弱々しくうなづいた。
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