イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「里ちゃん……」
里ちゃんは、泣きそうなそれでいて怒っているような複雑そうな表情を浮かべている。
眉間にしわを寄せ、唇をかみしめている里ちゃんに謝る。
「ごめん、里ちゃん……。勝手なことして」
「本当だよ。どうしてあたしの言うとおりにしてくれなかったの?」
「あたし……柴村さんが……あんなことされてるのを黙って見ていられなかったの……」
「優亜の気持ちもわかるよ。妹さんのこともあるし……複雑な気持ちになるのもわかる。だけどあれじゃ火に油を注ぐようなものだよ。今度は柴村さんだけじゃなく、優亜がターゲットになるかもしれないんだよ!?」
里ちゃんは綾香たちの様子を伺いながら、押し殺した声で言う。
『妹さん』という里ちゃんの言葉に胸が締め付けられる。
『お姉ちゃん……助けて……』
あの時、弱々しい声であたしに助けを求めたあの子……。
それなのに、あたしは――。
数年前の記憶が蘇りそうになり、あたしは慌ててそれを頭の中から打ち消した。
「里ちゃん……ごめんね。でも、きっと大丈夫。先生も気付いたみたいだから」
そういうと、里ちゃんは「期待しちゃだめだよ」と忠告した。