イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「ただね、やっぱり個性的すぎるのはよくないと思うわ。柴村さんの場合、その髪の毛。もう少し可愛らしく切ってこられない?」
先生の言葉に柴村さんはうつむいたまま黙り込んでいる。
「身だしなみを整えることは大事よ?そんなボサボサの髪の毛じゃみんなだって近付きたくないって思うわ。そこから『あの子、変な髪型だよね』って噂されてそれがどんどん広がっていく。それって元をたどれば自分のせいってことでしょう?それをイジメだって騒ぐのはお門違いってもの。あっ、でも柴村さんはそんなことで騒いだりしないわよね」
先生は柴村さんのイジメに気付いている。
気付いていて柴村さんがそれを訴えないようにと誘導している。
「イジメられたくなかったら容姿を変えろってことですか?」
「容姿を変えればいいってものじゃないわ。みんなの意見に従わずに一人だけ輪を乱すように正義感ぶったりする子がいるのもよくない」
「正義感ぶる……?」
先生の言葉は自分に投げかけられている気がする。
「そうよ。やっぱり周りの意見に合わせることができない子はクラスから浮いてしまう。それも自分のせい。言いたいことだけいってみんなに合わせることができないのも問題よね」
その言葉でハッキリした。
先生があたしたちをここへ呼んだのは、イジメを解消するためなんかじゃない。
むしろ、先生はあたしたちに言いたいのだ。
『イジメられるほうに問題がある。だから、周りに合わせなさい。合わせられないのはあなたのせい』
ぐっと唇をかむ。
里ちゃんの言葉は正しかった。
先生には何の期待もできない。
先生はイジメられている方ではなく、イジメている方の味方なんだ。
輪を乱すのはあたしたちだと思っている。
先生は何もわかってなどいない。