イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

「柴村さんもそう思わない?」

黙っている柴村さんにそう聞き返すと、柴村さんはゆっくりと顔をあげた。

「そう……ですね。でも、そんなことよりも……逢沢さんに申し訳ないんです」

「え?」

ボソボソと小さな声でしゃべる柴村さんの言葉を聞き逃すまいと耳を傾ける。

「私のせいで逢沢さんまで沢木さん達に悪く言われてしまいましたよね……?」

「あぁ、そんなことならいいの。私が許せなかっただけだから」

「でも、これ以上ご迷惑はかけられません。私は大丈夫です。だから……」

「やめてよ、そんなこと言わないで」

あたしはその場に立ち止まって真正面から柴村さんを見つめた。

柴村さんと至近距離で目が合う。

彼女の眼鏡の奥の瞳は茶色く澄んでいた。

「柴村さんは何も悪いことなんてしてないんだよ?悪いのはあの3人だよ。それに……若菜先生も」

「逢沢さん……」

柴村さんの目が左右に揺れ動く。
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