イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「……先生、大丈夫です。保健室に行って冷やしてきます」
あたしは開けかけたYシャツのボタンを閉め直した。
「そう?じゃあ、誰か一緒に保健室に――」
「大丈夫です!ひとりで行けますから」
「逢沢さん……」
柴村さんが心配そうな表情でこちらを見つめている。
『大丈夫』という代わりにあたしは一度うなづくとそのまま保健室を目指して歩き出した。
「ハァ……」
事態は思ったよりも深刻だった。
綾香たちは確実にあたしをイジメのターゲットにし始めた。
悔しい。
やられっぱなしで立ち向かっていけない無力な自分が情けない。
でも、やり返す術もない。
もし仮にやり返したとしたら、あたしは綾香たちと同類になってしまう。
そんなのは絶対に嫌だ。
でもこのままではあたしも柴村さんもずっと綾香たちにイジメられ、つらい学校生活を送ることを余儀なくされてしまう。
――そんなの不公平だ。絶対に嫌。
心の中で呟いてみても何の解決策も見つからない。
悶々とした気持ちであたしは保健室の扉を開けた。