イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

「――優亜!」

休み時間、トイレを出て教室へ戻ろうとしたとき里ちゃんが駆け寄ってきた。

「里ちゃん……」

「足、冷たいでしょ?ほら。これに履き替えなよ」

里ちゃんがあたしに手渡したのは、校内に来るお客さん用に用意されているスリッパと紺色のハイソックスだった。


「靴下は保健室にあった予備だから、明日洗って先生に渡してくれる?」

「ありがとう……。本当にありがとう……!」

「ううん。こんなことしかしてあげられなくてごめんね」

上履きから体育館シューズに履き替えようと思ったけれど、ロッカーの中にあるはずの体育館シューズも見当たらなかった。

里ちゃんとは校内ではあえて距離を置いているものの、里ちゃんはこうやって困ったことがあるといつだって必ずあたしに手を差し伸べてくれる。

里ちゃんはいつもあたしに『ごめんね』と謝ってくれるけど、里ちゃんに謝らなくちゃいけないのはあたしのほうだ。

里ちゃんの警告を無視して、柴村さんを助けたことで今のような状況に陥っているんだから。

自業自得だ。

でも、すべてはあたしが自分で選んだ道。後悔なんて一つもない。

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