イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
――そう思っていた。
その考えが甘かったと気付かされるのは、それから数時間後のことだった。
里ちゃんをも巻き込んでしまうことになるとは夢にも思っていなかった。
「日野田、アンタがアイツにスリッパ貸したの?」
放課後になり教室に人がまばらになったタイミングで綾香とみやびとマミの3人が里ちゃんの席を取り囲んだ。
帰り支度をしていた手をぴたりと止め、意識を里ちゃんに向ける。
「え……?」
「だから、アンタが逢沢にスリッパ貸したんだろ?どういうつもりだよ」
ドクンッと心臓が鳴った。あたしのせいで里ちゃんが責められているの……?
「何とか言えって」
みやびに急かされて里ちゃんの背中が丸まる。
あの3人に小学校時代イジメられていたと里ちゃんは苦しそうに話してくれた。
高校に入ってからもあの3人に目をつけられないように我慢をしながら学校生活を送っていた里ちゃん。
でも、あたしのせいで里ちゃんが再びあの3人に目をつけられそうになっている。
あたしなら何をされたっていい。
でも、里ちゃんはダメだ。里ちゃんをあの3人のターゲットになんてさせない。