ある夏の思い出〜よつばの約束〜

間違いだらけの旅

思い出めぐりをしてから1週間少しが過ぎた日、旅行に行った。

幸菜も一緒に行くことができてほっとした。彼女ははじめお金は自分で出す気だったようだが、結局母が「彰人も昔幸菜ちゃんのとこに旅行連れて行ってもらってたじゃない!」と通した。


「関空に着いたらまずどこ行くの?」

飛行機の中で、幸菜は昔と変わらない口調で母に話しかけた。

「なんばグランド花月!今回の旅行はね、おばさんとおじさんが行ってみたかったところを回るのよ。ちょっとハードだけど、幸菜ちゃん大丈夫?」

「全然大丈夫!」

「幸菜ちゃんはいつでも元気だなぁ」

なんだか俺の親と幸菜だけで盛り上がっているのが気に入らなかった。
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