ある夏の思い出〜よつばの約束〜

夜空に咲く花

旅行に行ってから1週間が過ぎた。


この日は花火大会だった。行くか?と誘ってみると行くと言ったので連れて行くことにした。

相変わらず白いワンピースの幸菜をみると、ウキウキしているようだった。

「なぁ」

「なに?」

「はしゃぎすぎだろ」

「うるさいなぁ、いいじゃんちょっとくらい」

「はいはい」

「お祭りなんだから、彰人もテンション上げていこうよ!」

「そうだな…」

こんなにムードメーカーのような感じだっただろうか、と少し首を傾げた。

「人多いね」

「そりゃ祭りだからなぁ…はぐれんなよ?」

「分かってるよ」

俺は少し考えて幸菜の手を掴んだ。やはりその手はとても冷たかった。

「…はぐれたら、探すの困るから」

たじろぐ幸菜に言い訳のようにぼそっと囁いた。
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