ある夏の思い出〜よつばの約束〜

海を眺めて

居候・幸菜がやってきてから1週間が過ぎた。

俺は宿題を猛スピードで終わらせ、父と母は天変地異の前触れなどと言っていた。

幸菜はその間俺の邪魔をせず、家で本を読んだりごろごろしたりたまに勉強をしていたりした。

そして宿題が終わった日、幸菜が「海に行きたい」と言い出した。

ここは田舎、取り柄は田んぼときれいな空気ときれいな海。

「明日行くか」と言うと「約束だよ?」と言い、またなんだか寂しそうで、切なそうな顔をした。なぜそんな顔をしているのか聞きたかったが、なんだか聞けなかった。
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