なくした時間にいてくれた
やっとやる気を取り戻した私は久しぶりに長時間勉強をした。時々「がんばって」という花実の声が聞こえるような気がした。

区切りのよいところで英語の問題集を終わらせると。マナーモードにしてあったスマホの着信ランプが付いていることに気付く。

岡くんからメッセージが届いていた。届いた時間は三時間も前だった。久しぶりに集中出来ていたこともあり、もう深夜だ。

こんな時間に返信するのは迷惑かな。もう寝てるよね。でも、メッセージを開いてしまったから私が読んだのは伝わっているはず。

どうしようかと悩んでいる間にも時間は過ぎていく。

悩みに悩んで、私は数学の問題集を開いた。あと一時間やったら寝よう。朝一に返信することにした。


朝起きてすぐに返信をする。岡くんは私の志望大学を聞いてきた。今まで話をしたことのない話題だけど、私も岡くんがどこを志望しているのか気になってはいた。

進路調査表に書いたのと同じことを送ったら、すぐに返信が来た。『えっ?』とだけ。
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