なくした時間にいてくれた
模試が近いからお互い勉強しなくてはならない。だから、話は短く終わるかもしれない。簡潔に話した方がいいと思うけど、いろいろ話したいとも思い、気持ちは複雑になる。
放課後、知奈と並んで学校を出て、駅に向かって歩く。話があると言ってたが、何も話してこない。私から話すことも出来なく、無言で歩いているうちに駅に着いた、
電車に乗ると二人座れるスペースが空いていて、顔を見合わせてから座る。以前なら「空いててラッキーだね」「うん、座ろう!」とはしゃぎながら座っていたのに。
やっぱり前のようには戻れない。
「あのさ。……妹の花実ちゃん、亡くなったんだよね?」
「うん。知っていたの?」
「先生が話してたから。楓花の妹といったら、花実ちゃんだなと思って。一度会ったことあるしね……ごめんね」
「え? 何が?」
ぽつりぽつりと呟くように話す知奈からの「ごめんね」が何に対してのことか分からなかった。
放課後、知奈と並んで学校を出て、駅に向かって歩く。話があると言ってたが、何も話してこない。私から話すことも出来なく、無言で歩いているうちに駅に着いた、
電車に乗ると二人座れるスペースが空いていて、顔を見合わせてから座る。以前なら「空いててラッキーだね」「うん、座ろう!」とはしゃぎながら座っていたのに。
やっぱり前のようには戻れない。
「あのさ。……妹の花実ちゃん、亡くなったんだよね?」
「うん。知っていたの?」
「先生が話してたから。楓花の妹といったら、花実ちゃんだなと思って。一度会ったことあるしね……ごめんね」
「え? 何が?」
ぽつりぽつりと呟くように話す知奈からの「ごめんね」が何に対してのことか分からなかった。