なくした時間にいてくれた
支えてくれたこと
模試が終わった日の帰り、岡くんと学校から15分ほど歩いたところにあるカフェに入った。

あまり聞き慣れていないジャズの曲が流れているカフェだったが、和やかな雰囲気は良くて、初めて入った店だけど、寛げる感じがした。

岡くんが去年、たまたまこのカフェの前を通った時にふらっと寄ってから気に入って何度か一人で来ていると話してくれた。たまに隅の席で勉強をさせてもらっているそうだ。

私は家で勉強をするタイプだから、外で集中出来るのかと不思議になってそのことを聞いてみる。


「この店が居心地がいいということもあるんだけど、意外に集中できるんだよ」

「そうなんだ、確かに居心地はいい感じだよね」

「うちの店を褒めてくれてありがとう。はい、お待たせしました」


マスターとマスターの奥さん二人でやっているというカフェはこじんまりしている。

テーブルの上に岡くんが頼んだコーヒーと私のココアが置かれた。
< 112 / 189 >

この作品をシェア

pagetop