なくした時間にいてくれた
二つの絵馬を並べてかけた。同じ大学名を書いているのがなんだか嬉しくなり、岡くんの顔を見たら岡くんもこっちを見ていて、二人で笑った。

難しいけど、二人で合格出来たらいいな。合格して一緒に通いたい。


「松本さんは何学部を受けるの?」

「私は法学部だけど、岡くんは?」

「えっ? ほんとに? それもまたビックリなんだけど」

「またビックリって、まさか岡くんも?」


志望する大学が同じだけでなく、学部も同じとは私もまた驚いた。

岡くんは裁判官になりたいと言う。そして、まさかの第二志望も同じ大学だった。第二志望は最初に目指していた県内の大学でそこにある法学部だ。

知奈はその大学の経済学部を第一志望にしている。もしかしたら同じ大学に通うことになるかもと話したけど、やっぱり第一志望に合格したい気持ちが大きい。

センター試験まであと10日。寝る間も惜しんで勉強をしている私たちは合格祈願のお守りを買って、神社を出てから別れた。次に会うのは始業式。それまで連絡も取らないようにする。
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