なくした時間にいてくれた
岡くんが同じ大学を目指していると知り、さらに意欲がわく。一緒に合格して、一緒に通いたい。

裁判官と弁護士でなりたい職業は違うけど、同じ法律関係でこれからも支えあっていける。

私は足をしっかり地につけて、前を向いた。今はただ前だけを見る。

勉強をひたすらやるだけの受験生の一日一日が終わるのは早くて、もっと時間が欲しい、足りないと何度も思ったけど、増えるわけもなく普通に時は流れて行った。


二つの大学の試験を終えて、あとは合格発表を待つだけとなったある日、久しぶりに勉強のことを忘れて外出した。

もしどちらも不合格に終わったら、違う大学を受験するか考えなければならなく、まだ勉強もしなければならない。

でも、燃え尽きた感じのする今は何もやる気が起きない。

岡くんも同じようで、私たちは気分転換で。ジャズが流れるカフェであった。岡くんのお気に入りのカフェだ。

私は初めて連れてきてもらった日以来、来ていなかったけど、岡くんは時々来て勉強をしていたらしい。入試日や合格発表日をマスターと奥さんに話していたようだった。
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