なくした時間にいてくれた
「合格発表が終わって、進学先が決まったら花実の友だちに連絡してみる予定でいるの。岡くんが一緒に来てくれるなら心強いから嬉しい。ありがとう。その時は話すから、よろしくね」

「そうか、まずは合格発表だね。ほんと緊張するよね。松本さんだけが受かって、俺はダメだったらどうしようと何度も思っていてさ」

「そんなの私も同じだよ。一緒に合格出来ればいいけど、分からないものね。どんな結果になるのかずっと不安。もう何もできないから、早く発表して欲しいけど、結果を知るのも怖くて……」


私たちはお互いに不安な気持ちを共感して、暗くなることばかりではなく、明るくなることも話そうと言った。

でも、何が明るい話題なのかは分からなく、私たちは無言になってしまう。

コーヒーを飲んでいた岡くんが何かをひらめいたようで、「そうだ!」と言う。なんだろう。
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