なくした時間にいてくれた
暇で仕方がないという岡くんに私は昨日柴山くんに会った時のことを報告した。
「そうか。写真、受け取ってもらえて良かったね。花実ちゃんも喜んでいるだろうな。でも、その柴山くんも好きだと分かったのに辛いね」
「うん……柴山くんの涙がものすごく切なくなっちゃった」
「残された方が確かに辛いけど、花実ちゃんも辛いだろうね」
残された方……それは私もだ。私も花実がいなくて寂しいし、悲しい。
しんみりすると涙腺が緩んでしまう。出来るだけ泣かないようにとしているのに。
「わっ、楓花、泣かないで。泣かせるつもりで言ったんじゃないから」
「えっ、今なんて言った?」
岡くんからの言葉に驚いて出そうになっていた涙が止まった。
岡くんはキョトンとした顔をしている。
「なんてって……泣かせるつもりで言ったんじゃないからと」
「違う、その前」
「えっと、泣かないで?」
「その前だよ」
「えっ、あ、えー! 俺言った? えーー!」
「そうか。写真、受け取ってもらえて良かったね。花実ちゃんも喜んでいるだろうな。でも、その柴山くんも好きだと分かったのに辛いね」
「うん……柴山くんの涙がものすごく切なくなっちゃった」
「残された方が確かに辛いけど、花実ちゃんも辛いだろうね」
残された方……それは私もだ。私も花実がいなくて寂しいし、悲しい。
しんみりすると涙腺が緩んでしまう。出来るだけ泣かないようにとしているのに。
「わっ、楓花、泣かないで。泣かせるつもりで言ったんじゃないから」
「えっ、今なんて言った?」
岡くんからの言葉に驚いて出そうになっていた涙が止まった。
岡くんはキョトンとした顔をしている。
「なんてって……泣かせるつもりで言ったんじゃないからと」
「違う、その前」
「えっと、泣かないで?」
「その前だよ」
「えっ、あ、えー! 俺言った? えーー!」