なくした時間にいてくれた
しかも、教科書は全部終わっているらしくセンター試験用の問題を先生が黒板に書いていく。

ここで不思議なことが起きた。

問題の答えがさっぱり分からないのに、私の手は勝手に動く。

なに?

これはなんなの?

全然分からないのに、勝手にお姉ちゃんの体が解いていく。

頭と体が一致しない。

待って!

勝手に動かないで。

やめて。


その時、後ろから肩をつつかれた。感覚からしてシャーペンの後ろで使ったようだ。持っていたシャーペンをノートの上に置いて、振り返る。


「大丈夫か? 頭、痛い? 顔色、悪いよ」


岡くんが小声で聞いてくる。

シャーペンを持たない左手で頭を抱えてしまっていたから、心配してくれたようだ。

自分の意思と違う動きをする右手を見て、気分が悪くなった。頭も痛くなった。

返事をしようとするけど、喉が渇いていてうまく声が出てこない。
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