なくした時間にいてくれた

母だって、意識が戻らない私を心配している。だから、これ以上余計な心配を掛けられない。

おとなしくお姉ちゃんの部屋に戻り、再び横になった。さっきと同じように寝転んで目を閉じていると今度は眠くなってきた。

自分が思うより体は疲れているようだ。慣れない場所にいって、お姉ちゃんの振りをしたから疲れた。でも、お姉ちゃんの振りが出来ていたかは疑問。

変に思われていただろうな。

明日、学校に行ったら岡くんにお姉ちゃんのことを教えてもらおう。

何でまた変なことを聞くのかと言われそうだから、変に思われない理由を考えよう。どう話したらいいかな……そんなことを考えていたらいつの間にか眠っていた。


「楓花、楓花。ご飯よ、起きて」

「んー、私は楓花じゃないっば。はな……あ！」

「なに言ってるの？ 寝ぼけてた？」

「ああ、うん。夢に花実が出てきたから」


自分がお姉ちゃんであることを忘れてしまっていた。気をつけないと。