なくした時間にいてくれた
受け入れること
翌日はちゃんと学校に行った。誰も私と目を合わせてもくれないから朝の挨拶さえも出来なくて静かに自分の席に座る。


「松本さん、おはよう。もう大丈夫?」

「おはよう。うん、この前はありがとう」

「うん。顔色もよくなっているし、よかったね」


唯一会話をしてくれる岡くんが登校してきて少しホッとする。でも、周りの視線を痛く感じる。私が誰かと話すのはいけないことなんだろうか。

本当にこの教室は居心地がよくない。お姉ちゃんはよくこんな場所で我慢できていたな。

一昨日と同じようにノートを書く手は勝手に動く。筆跡は私のものだけど、書こうと思って書いているものではない。

何で勝手に動くのかは分からないし、違和感もあるけど、こういうものだと受け入れるしかない。

昼休みになり、どこでお弁当を食べたらいいのかと悩んだ。教室のあちこちでグループを作って食べているのが見える。

お姉ちゃんは多分どこのグループにも入っていない。

自分の席でひっそりと食べるしかないかな。母の作ってくれたお弁当を机の上に置く。
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