なくした時間にいてくれた
私だって悲しい。

もう花実に会えない。

話も出来ない。

小さい頃から私の後ろを付いてくる花実がかわいくて、好きだった。

大好きで大切な妹なのに……なんで死んじゃったの……。

一緒に大人になりたかった。

開いたノートに涙がぽたぽた落ちる。何が書いてあるのかよく見えなくなってきた。

もう花実と話も出来ないし、一緒に食事することも出来ないし、遊ぶことも出来ない。

何度も何度も同じことを思い、花実の死をじわりじわりと実感してくる。

何かが変だと探るよりも現実を見なければいけない。けれど、信じたくないから目を背けたくなる。受け入れたくない現実だから。


「花実……」


呼んでも返事はない。

そこにいて当たり前だった存在で、いつも素直で喜怒哀楽をはっきりと表す妹はとにかくかわいかった。

ここ数年は私の勝手な事情で距離を取っていたから向き合って話が出来なかった。もっともっとたくさん話をしたかった。

今も花実と話したい。
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