なくした時間にいてくれた
私はお姉ちゃんの体にいると母に話してみようかな。

でも、信じてもらえないかも。


「瘋花、大丈夫か?」

「うん、大丈夫。お父さんは?」


警察との話が終わった父が病室に入ってきた。見たところ、どこも怪我はしていないようだが、疲れているみたいで顔色がよくない。


「ちょっと首が痛いくらいで大丈夫だよ。花実はまだ寝てるのか?こいつはよく寝るな」

「そうだね」


いや、寝てるんじゃなくて意識がないから起きないんだけど。

父も母も私の体は遅くても翌日には目が覚めると思っていた。私も同じように信じた。

面会時間が終わり、家に帰り、お風呂に入る。

姿がお姉ちゃんの私は、お姉ちゃんのパジャマに着替えて、お姉ちゃんの部屋のベッドに寝た。

違うベッドは落ち着かなかったけど、精神的に疲れていたせいか難なく眠りにつくことができた。
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