なくした時間にいてくれた
今日、葬儀場でふらっと一人で外を歩いていた私を母が探していて「何でスマホを持ってきていないの? 電話しても通じないから心配した」と言われた。
青ざめた顔の母を見て、心配は掛けてしまって悪かったと謝った。スマホを持ち歩くということをすっかり忘れていた。
そんな必要な時に持ち歩けなかったスマホに触れるが、画面は真っ黒のままで何の変化もない。電池切れになっていたから、充電をする。
その間、勉強しよう。
問題集を開くが全然頭に入らない。文字を読んではいるけど、何を問われているのか理解できない。ただ眺めているという感じだ。
「今日はやめよう」
やる気が出ないときにやっても無駄だ。無理にやっても仕方がない。
問題集を閉じて、再びベッドに横たわり、右手の甲を額に当てて目をつぶった。
浮かんでくるのは楽しそうに笑う花実の顔。「ねえねえ、お姉ちゃん」と話し掛けてくる花実の声。花実のことばかり考えてしまって勉強どころではない。
青ざめた顔の母を見て、心配は掛けてしまって悪かったと謝った。スマホを持ち歩くということをすっかり忘れていた。
そんな必要な時に持ち歩けなかったスマホに触れるが、画面は真っ黒のままで何の変化もない。電池切れになっていたから、充電をする。
その間、勉強しよう。
問題集を開くが全然頭に入らない。文字を読んではいるけど、何を問われているのか理解できない。ただ眺めているという感じだ。
「今日はやめよう」
やる気が出ないときにやっても無駄だ。無理にやっても仕方がない。
問題集を閉じて、再びベッドに横たわり、右手の甲を額に当てて目をつぶった。
浮かんでくるのは楽しそうに笑う花実の顔。「ねえねえ、お姉ちゃん」と話し掛けてくる花実の声。花実のことばかり考えてしまって勉強どころではない。