なくした時間にいてくれた
花実からのメッセージは現実的には有り得ない内容で信じがたかったけど、違和感の正体の答えがあった。


入れ替わり?

私の体に花実が入っていて、私として花実が生活を送っていた?

花実が私として私の学校にも行っていたらしい。でも、その間私は何をしていたの? 多分眠っていた……。

自分の筆跡ではないノートをもう一度見る。そして、花実の部屋に行き、花実が使っていたノートを持ってきた。

見比べると一目瞭然で二つのノートの筆跡は一致した。これは花実が書いたものだ。

私の体の中に入ってしまった花実は私が困らないように考えてくれていた。私に成りすまして学校に行き、それを伝えるために毎日メッセージを送ってくれていた。

一つ一つ読み進んでいくと、花実が私のために頑張ってくれていたのが伝わってくる。違う人間になりきって生活するのはかなり大変だったに違いない。

もし逆の立場だったら私は同じように出来ただろうか。
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