なくした時間にいてくれた
中学からの親友が「裏切るなんてひどい!」と言ってきて、「裏切っていない」と返した。だけど、信じてくれないから誤解だと説明した。

だけど、どんなに説明しても信じてくれず、私から離れていって、私の悪口を陰で言っていたようだった。

そんな経緯があり、私は学校で孤立した。


かつての親友であった小池知奈から「同じクラスの岡くんが好き」と聞いたのは高校入学して間もない頃で、同じ班になった岡くんの笑顔に惚れたと興奮しながら話してくれた。

私は岡くんの顔を名前も知らなかったけれど、知奈の恋を心から応援すると言ったし、偽りなく応援するつもりでもいた。

だから、委員会で初めて岡くんに会ったときも知奈の好きな人という気持ちで接したし、笑った岡くんの顔を見て、この笑顔に惚れたのかと微笑ましくなっていた。

素敵な笑顔だなとは思ったけど、私の心は特別その笑顔に揺れなかった。それなのに、何を誤解したのか「裏切り者!」と罵られた。
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