なくした時間にいてくれた
そして、私は朝目が覚めると自分の体に戻っていて、病院のベッドで寝ていることを願った。


しかし、現実は思うようにいかない。目が覚めて、寝たときと同じお姉ちゃんの部屋だったことを確認して、肩を落とす。

今日は日曜日だからいいけど、明日は月曜日で学校に行かなければならない。

明日の朝になっても戻らなかったら、とうしよう。私は、どっちの学校に行ったらいい?


「楓花、病院に行くけど行く?」

「うん、行くよ」


ちゃんと自分の目でもう一度確かめてみよう。元に戻れる糸口が見つかるかもしれない。

父の車は朝早く修理に出したので、母の軽自動車に乗って病院へ行った。


「まだ寝てるわね。1度くらい目が覚めたのかしら? はーな、起きなさいよ」


母がいつも私を起こすように呼び掛ける。だけど、私の目覚めるどころか体はびくとも動かない。
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