なくした時間にいてくれた
花実が知奈に話しかけていたなんて思いも寄らなかった。知奈のことをどうやって探しだしたのだろう。

卒業アルバムに挟んであったとあって、本棚からアルバムを取り出す。アルバムにプリクラ写真を挟んでいたのを忘れていた。

開いた途端にパラパラと落ちてしまった写真を拾って一枚一枚見ていく。それぞれに思い出があって、楽しかった時を思い出す。

知奈との写真は高校の合格発表日の翌日撮ったものだ。『ずっとともだち!』という落書きを入れてある。

ずっとなんてあり得ないのに、あの時は疑いもしないでずっと友達でいようねと約束をして、笑いあった。それから数ヵ月後に絶交するとは思いもしないで。

本当にいつ何が起こるか分からない。

知奈とは以前のような友達には戻れない。花実もそれは分かったようで、最後には「勝手なことをしてごめんなさい」とあった。

花実は私のためを思って、もう一度仲良くなれないのかと考えてくれたのだろう。

花実は私よりも勇気があった。私も花実の勇気を分けてもらって頑張りたい。

花実、お願い。頑張るから見守っていてね。
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