遠回りして気付いた想い
「遅くなって悪い……」
そう言葉にして、固まってしまう遥さん。
どうしたんだろう?と首を傾げながら、マジマジと見ていたら、顔を赤らめて、目線を反らしていく。
「高橋先輩。どうしたんですか?」
由華さんがニマニマと面白そうに遥さんに声をかける。
「イヤ、亜耶が普段以上に可愛すぎてだなぁ……」
タジタジになりながら、そう言葉にする遥さんにこっちまで照れてしまう。
そんな私たちの間に。
「亜耶、荷物持つよ」
と冷静な声でお兄ちゃんが言ってくる。
「あっ、うん」
お兄ちゃんが私から荷物を奪っていく。
「ありがとう」
そうお礼を言えば。
「ん。由華、まだ見るものあるんだろ?」
お兄ちゃんが、由華さんにそう声をかければ。
「そうだった。早く行こ」
って、由華さんがお店の中だというのに私の腕を引っ張りだす。
「あっ、ちょっと、由華さん」
引っ張られた拍子に棚にぶつかりそうになりながら、後を追う。

そう言えば、昨日のお礼まだ言えてない。
後ろを振り向けば、苦笑いを浮かべてるお兄ちゃんと遥さんが慌てて着いてきてる。

どうやら、今日はこのまま由華さんに振り回されそうです。
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