遠回りして気付いた想い
自分の席に付き、休憩時間も残っていたので、朝送られてきた亜耶の写真を眺めていた。
俺があげたチョーカー、良く似合ってる。
もっと、俺の手で彼女を飾りたくなってくる。
今度は、何をプレゼントしようかなぁ~。
何て、彼女の事しか頭になくて、周りが目に入ってなかった。
「何、にやけてるんだ、高橋」
急な声に驚いて、顔をあげれば同僚が俺の手元を覗き込んでいた。
「うわ~」
慌てる俺に、苦笑を漏らし。
「可愛い子だな。お前の彼女か?他の娘に興味がないのは、そのせいか?」
と聞かれ、とっさに。
「フィアンセだ。彼女だけなんだ」
と答えれば、一層驚いた顔をする。
そこに。
「そうか…、それじゃあ、お前に上司の見合いは振れないな」
なんて声が聞こえてきた。