遠回りして気付いた想い
体育祭の最中。

「亜耶」

オレと亜耶が、グランドの隅で雑用をこなしてる時だった。

少し低めの声が、亜耶に向かってかかる。

そちらを見れば、穏やかな顔で亜耶に近付いて行く。

何、この人?

男のオレから見てみ、メチャカッコいいんですが…。

オレが、ガン見してたのに気付いて、軽く会釈してきた。

オレも、同じように返す。

「お兄ちゃん」

亜耶の口からでてきた言葉は、"お兄ちゃん"だった。

エッ…お兄ちゃん?

この人が?

オレは、もう一度マジマジと見た。

うわー。そんなのありかよ。

亜耶にイケメンの兄って…。

こんな環境で育ったのなら、これ以上の人何て早々居るもんではない。

この時は、そう思っていた。




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