遠回りして気付いた想い
いざ、スタートすると、イケメンの二人が抜きでて競っている。

えっ…。

何?

何で、この二人こんなに速いんだ。

オレが、驚愕してる横で、亜耶が当たり前のように。

「お兄ちゃん、遥さん。頑張れ!」

大きな声で声援を送ってる。

その声で、お兄さんの隣を走ってる人のスピードが、上がった気がする。

周りを見れば、二人に声援を送ってる。

たった、一瞬の勝負なのに目が離せない。

こんなにも白熱するものなのか?

結果は、亜耶のお兄さんの勝ちではあったが、もう一人の方も負けていなかった。

周りが、歓声に湧く。

近くに居た女子達が、"カッコいい"とか"右の人がいい"とか言い合ってるのが聞こえてくる。

そんな中。

「やっぱり、お兄ちゃんカッコいい!!」

亜耶が、跳び跳ねて叫んでる。

その声に気付いたお兄さんが、亜耶に手を振ってる。隣の人もブンブンと勢いよく振っている。

それを見ていた、周りの女子達が、キャーキャー言い出す。

自分に振られてると思って、勘違いしてるんだろうな。



体育祭が終わっても、あの二人の噂が絶えなかった。

亜耶は、それを見て見ぬ振りで、沈黙を守っていた。


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