遠回りして気付いた想い
「雅斗。亜耶にマフラーありがとうって言っておいて」

玄関まで送ってくれた雅斗に言う。

「あぁ。どうせなら、直接言ったらどうだ」

何を思って、そう口にしたのかわからず、雅斗を見た。

「明日の夜六時半に、駅で待ち合わせな」

唐突に言い出す雅斗。

「何だそれ。俺の都合は、お構い無しか?」

俺は、雅斗を睨み付ける。

「そうだよ。お前、無理にでも約束しないと来ないだろ」

雅斗が、呆れたように言う。

あはは…。

俺に性格、しっかり把握されてるし…。

「わかったよ」

渋々了承した。

「メンバーは、俺と由華と亜耶とお前だから」

沢口が来るのか…。

まぁ、いいか。亜耶ともいられるんだし…。

「わかった。じゃあな、お休み」

俺は、玄関を出てそのまま家に向かった。
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