遠回りして気付いた想い

「悪い」
そう言って、お兄ちゃんが電話に出る。
「どうした、遥?」
お兄ちゃんがそう言って少しずつ距離をとっていこうとする。
声が聞こえてこないところまでいってしまった。

「亜耶ちゃん、今日はごめんね。無理矢理だったよね」
由華さんが、声をかけてくる。
「え、全然大丈夫ですよ。お義姉さんとでかけるの楽しみでしたし」
私が答えると。
「ほんと。嬉しいなそう言ってもらえて」
由華さんは、本当に嬉しそうな笑みを浮かべる。
この人裏表がないから、好きなんだよね。
「由華さんが、お義姉さんになってくれるの私も嬉しいんですよ」
私が返せば、驚いた顔を見せてから、波顔した。
「も~。何でこんなに良い子なんでしょ。嬉しすぎる」
って、由華さんが抱きついて着て、髪を片手でグシャグシャとかき混ぜる。
うわー、何されてるの私。
今、髪グチャグチャだよね。
あうっ、どうしよう。
オロオロしだす私に、助けの声が。
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