【禁后-パンドラ-】
鏡台
「これなぁに?」

妹がその引き出しから取り出して僕達に見せたもの…。

それは筆のようなもので『禁后』と書かれた半紙だった。

意味がわからず妹を見つめるしかない僕達。

この時、どうしてすぐに動けなかったのか、今でもわからない。

妹は構わずその半紙をしまって引き出しを閉め、今度は2段目の引き出しから中のものを取り出した。

全く同じもの、『禁后』と書かれた半紙。

もう何が何だかわからず、僕はガタガタと震えるしか出来なかったが、桃花が我に返り、すぐさま妹に駆け寄った。

桃花ももう半泣きになっている。

「何やってんのあんたは!」

妹を厳しく怒鳴りつけ、半紙を取り上げると引き出しを開け、しまおうとした。

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