【禁后-パンドラ-】
こうした事情もあって、猫などの動物を『教育』によく使用していたのだ。

『材料』として適した歪んだ常識、歪んだ価値観、歪んだ嗜好などを形成させる為の異常な『教育』は代々の母娘間で13年間も続けられる。

その間で3つの儀式の内の2つが行われる。

1つは10歳の時、母親に鏡台の前に連れていかれ、爪を提供するように指示される。

ここで初めて、娘は鏡台の存在を知る。

両手両足からどの爪を何枚提供するかはそれぞれの代の母親によって違ったそうだ。

提供するとは勿論剥がすという意味。

自分で自分の爪を剥がし母親に渡すと、鏡台の3つある引き出しの内、1番上の引き出しに爪と娘の隠し名を書いた紙を一緒に入れる。

そしてその日は1日中、母親は鏡台の前に座って過ごす。

これが1つ目の儀式。

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