【禁后-パンドラ-】
…ここから最後の話になる。

空き家が建てられて以降、中に入ろうとする者は1人もいなかった。

前述の通り、空き家へ移る際に引き出しの中を見てしまった為、中に何があるかが一部の人達に伝わっていたからだ。

僕達の時と同様、事実を知らない者に対して過剰に厳しくする事で、何も起こらないようにしていた。

ところが、七海達の親の間で一度だけ事が起こってしまったそうだ。

七海と一緒に空き家へ行った僕の家族について、少しふれたのを覚えているだろうか。

僕のじいちゃんと母が元々この町の出身であり、結婚して他県に住んでいたという話。

これは事実ではなかった。

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