【禁后-パンドラ-】
しかし、階段は…と廊下に出た瞬間、七身と桃花は心臓が止まりそうになった。

左にのびた廊下には途中で浴室があり突き当たりがトイレなのだが、その間くらいの位置に鏡台が置かれ、真ん前につっぱり棒のようなものが立てられていた。

そして、その棒に髪がかけられていたのだ。

どう表現していいかわからないが、カツラのように髪型として形を成したものというか、ロングヘアの女性の後ろ髪がそのままそこにあるという感じ。

位置的にも、平均的な身長なら大体その辺に頭がくるだろうというような位置で棒の高さが調節してあり、まるで『女が鏡台の前で座ってる』のを再現したみたいな光景。

一気に鳥肌が立ち、『なになに?何なのこれっ?』と軽くパニックの七海と桃花。

何だ何だ?と廊下に出てきた男子達も意味不明な光景に唖然。

桃花の妹だけが、あれなぁに?とキョトンとしていた。

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