【禁后-パンドラ-】
「何だよあれ?本物の髪の毛か?」

「わかんない。触ってみるか?」

和也はそんな事を言うが、七海達は必死で止めた。

「やばいからやめろって!気持ち悪いし絶対何かあるだろ!」

「そうだよ、やめなよ!」

どう考えても異様としか思えないその光景に恐怖を感じ、ひとまずみんな居間に引っ込んだ。

「……」

僕もまた、その髪の毛に言い知れない威圧感というか、嫌悪感を感じる。

…やばい。

胸の辺りがムカムカとしてくる。

酷い嘔吐感が襲ってきて、酸っぱいものを堪えるべく、何度も生唾を飲み込まずにはいられなかった。


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