あの日あの時あの場所で。
…でも、この夢とあの時のこと話したら…。
きっと、陵太も私を無視したくなるだろう。
だから、言いたくない。
「…ありがと。じゃあね…」
陵太に無視されるのだけは、嫌だよ。
陵太がいなくなったら、私は本当にひとりぼっちだ。
「莉子?」
「…なに?」
ちょっと冷たかったかな…。
でも、陵太ってなんか人が思ってること分かっちゃう人だから…なんというか。
「俺、莉子の光になるから!だから、大丈夫っ!」
「なに言って…」
「莉子が泣いてたらすぐ助けに行くから」
「ど、どうゆう意味?」
「深く考えないでね。じゃ、帰りに昇降口でまってるから。一緒に帰ろ」
「…分かった」
そう言って屋上をでた。
陵太がわたしの光になる…?
ほんっと、意味不明。
「…んなの、なれるわけない」
屋上の扉の影でぼそっ、とつぶやいた。
私は輝いてる人が苦手。
だから、本当は陵太も苦手な範囲だけど。
なんか、陵太は他と違う…。
…これは、どうゆうことなの?
「はぁ…。教室、ほんっとやだ」
また、なにかされる。
それに二時間ぐらいいなかったし…。
まぁ、無視しとけばいっか。