あの日あの時あの場所で。

な、なに!?

「…やっ」

「…はは。おもしろいね?」

おもしろい…!?
なにがよ…。

と、油断してたとき…

―ドカッ。

「うっ…」

お腹に蹴りが、

―ドンッ。

「きゃ…」

おもいっきり押し倒された。


「…や、やめっ!」

「だれがやめるかっつーの」

「やっ、やだやだっ…!」


―ああ。

痛いよ。

体のいろんなところに響く。


「た、助っ…」


気がつけば私の上の方で立っている真波に助けを求めてた。

「…真波っ…」


分かってる、分かってるよ…。どんなに助けを求めても、助けてくれないことぐらい。


「誰も助けないよ、あんたのことなんて!」

「…うっ」


―ドカッ。

―ドカッ。

―ドカッ。

痛い痛い痛い痛い。


…なにが、楽しいんだろ。

「…バカみたい」

ぽつり、とつぶやいた。

だが、これが瞳に聞こえてしまったらしくて。

「はぁっ!?どうゆう意味よっ!」

…ヤバ。

「莉子のくせに、ムカつくっ!!」

「うっっ…」


今までにないくらいおもいっきり瞳の足でお腹を蹴られた。

気持ち悪い…。
お腹の中が変な感じだ。

「―これで、とどめかなぁ?」

「…え」

意識がもうろうとするなかで顔をあげた。

そこには、木の棒を片手にした瞳が仁王立ちしてた。


「―今、あんたがこんな状態になってるのは、誰のせいかな~って、考えなよ」


…は?

こんなことを考えてる間にもいろんなところを蹴られまくる。

助けてよ、助けて…。

ねぇ、真波…。


< 20 / 28 >

この作品をシェア

pagetop